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Leola Live Tour 2019 “HANGRY”!?(18・19日目・東京公演)

LUCID NOTE SHIBUYA

昨日は最初から途中まで。今日は途中から途中まで。

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レオラさんの全国ツアー18日目と19日目へ。宇田川町。

今回のレオラさんのツアーの聴きどころは、ほんの一曲だけだ。先月のクアトロ公演で全編を通して聴いた結果として、昨日も今日も、その一曲だけを聴くためだけに足を運ぶことにした。その一曲はおそらく、今のレオラさんにとってはとても重要な一曲であり、今後のレオラ・プロジェクトにおいても布石として機能する曲になる、と感じたからだ。昨日はその曲がどのタイミングで聴けるかを再確認するために最初から、今日はまさにそのタイミングに合わせて会場に入った。両日ともその曲を聴き終えると、フロアの混雑をかき分け、重いドアを押しやり、スタッフに再入場の意思を問われつつ、工事中のパルコの建屋を見上げることにした。なぜなら、その曲以外のほかのセットを聴くためにわざわざ時間を費やすという選択肢は、今ツアーにおいてはまったく見いだせなかったからだ。いったいその演奏でどうやってノレと?

彼らはだれかにとても忠実なのだ。ボーカルを惹き立てるための演奏としては立派だったが、それはだれかのなにかに従っただけの結果であり、惹き立てろ、楽しくなくても楽しめ、余計なことはするな、余計な音もだすな、失敗したら次の仕事はない、という音にしか聴こえなかった。淡々と無難に、仕事を仕事としてこなせるメンバーだけを集めたとしても、彼らのその音からはグルーヴなど生じない。こんな音が必要だったのなら、アイドルがよくやるようにオケで充分だ。つまらないオトナにはなりたくないと歌うシンガーがいるけれど、今ツアーの彼らの音はまさにそのつまらなさを体現しているようだった。

LUCID NOTE SHIBUYA

途中退場の理由をもうひとつ。だれが決めたのかは知らないが、デビューして4年目のシンガーのこのキャパでのライブのチケット料金が、五千八百円はどう見積もっても高額だ。これにシステム利用料やら発券手数料やらが加算されて消費税を含めると総額で七千円を超える。さらにライブ後のイベントに参加するためにはもっとお金が必要で、楽しむためには最低でも一万円、これに交通費、地方から来れば宿泊費も加算される。つまり、たとえばレオラさんをだれかに紹介するとき、「彼ら」にならいくらでも貢ぐという覚悟を持つ人にしかおすすめできないシンガーという言いかたが、もっとも適切だと思えるほどの価格設定なのだ。しかも、彼女のプロジェクトのターゲット層が十代から二十代前半の、稼ぎのない未成年を含めた若者たちが中心だとするのであれば、道義的にも間違った価格設定と言わざるを得ない。相場観を知らないのか、企業努力が足りないのか、殿様商売に味を占めているのかは知らないが、今ツアーの「彼ら」の音楽は、興行的にも音楽的にも、子どもだましの音楽だ。「彼ら」のなかにレオラさんを含めたくないけれど。