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Leola Live Tour 2019 “HANGRY”!?(8日目・東京公演)

LUCID NOTE SHIBUYA

ネタバレしないように書こうとするとこういう文章になってしまう。ご勘弁。

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レオラさんの全国ツアー8日目へ。宇田川町。

企画の主旨を他者に伝えるとき、言葉だけを使って口頭で説明することを演説と言い、音楽だけで表現することを演奏と言う。言葉なら主旨は明確に伝わってくるし明快に理解できるのだが、音楽では曖昧にうっすらとそれを感じ取るしかない。一方で、言葉には嘘も交じってるかもしれないという疑心も生まれるが、音楽はファンタジーが前提だから疑心は生まれない。今日の彼女は、たとえばツアータイトルがなぜHANGRYなのか、というライブの肝になる部分をリスナーに理解してもらう方法として、演奏ではなく演説を選択していた。でも実はそれもこれも自分の音楽に自信が無いからだ、ということさえも言葉で表現していた。もちろんそのあとには演奏があるのだが、そこまで親切な演説は感動の押し付けとして、演奏はその裏付けとして機能してしまった。今回のツアーの彼女はこれまでとはひと味違う、なにがどう違うのか、なにが彼女にそうさせたのか、どんな思いがそこにあるのか、ツアーを通してそれはどう変わっていくのか、最終日の彼女はどうなっているのか、ツアー後の活動はどうなるのか、ということを演奏を通して想像したり推察したりして過ごすことがツアーライブの楽しみの半分を占めるのだが。

残りの楽しみの半分は演奏そのものだ。種明かしのような野暮なMCがなくても、今日の彼女なら歌だけで充分だった。ただし、自分の思いをリスナーに伝えるにはどうしても彼女名義の楽曲だけでは足りなかったようだ。カバーに頼るのは間違った方法ではないけれど、けっして最善ではないことくらいは彼女もわかっているだろうし、もしも自信のなさの原因のひとつにそれがあるなら、それこそ制作から見直さなければ、などと妄想すると彼女と彼女のファンの未来はまだまだ明るい。いいライブだ。

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しかし還暦を過ぎた大先輩ミュージシャンたちに対するリスペクトがまったく足りん。あんな使い方をするとは。最近の若い子はよくわからん 笑。