LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

Familia 2nd CD album 発売記念コンサート

LUCID NOTE SHIBUYA

シンガーソングライターとロックンローラーとジャズマンの闘い。

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星羅さんがJZ初登場と聞いて行ってみた。セルリアン。

ファミリアのアルバムは、壮年世代のリスナーの記憶と琴線にさらりと触れる楽曲をセレクトし、ギターとヴォーカルとリード楽器を使い、聴きごたえよりも聴きごこちを重視したアレンジで仕上げた全曲カヴァーソング集。今日もそんなラウンジ・ミュージックのような軽めのライブを想像していたのだが、まったくの見当違いだった。ジャズのテクニックを惜しみなく活用した骨太なアレンジで、そこに星羅さんのあの声が謎に溶け込むという魔法のようなライブ。さらにお父さんのサックスとコーラスワークがおもしろいようにアンサンブルと絡み合い、彼らの音楽的な背景を知らずともストレスなく音に没入できる良質なライブ。

二度と見られないだろう石川さんと小寺さんのダブルパーカッションの貢献も大きい。石川さんは当日リハからのそのまま本番に挑むというスケジュール感で、まさにジャズマン。小寺さんは―――いつロックな轟きで爆発するかハラハラしながら観ていたのだが―――本編の最後までしっかりとゆるやかに仕事をこなしていた。アンコールの「スペイン」で打合せなしのソロ回しをフラれたときの小寺さんの反発的な小爆発と、石川さんの派手なサウンドテクニックにはドキドキさせられっぱなしだった。シンガーソングライターがJZのステージに立つ姿に違和感を感じなかったのも、彼らの存在のおかげだ。星羅さんのライブにはない緊張感と高揚感。これはいいライブ。

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ちなみに「真夏の果実」は今回のツアーのセットリストには含まれていません。