神戸にレイオーバー。
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旅の途中にちょいと神戸に立ち寄って門脇さんの初ワンマンへ。下山手通り2丁目。
19歳の初ワンマンといえば、持ち歌が少なく、セットリストにはカバー曲を数曲はさみこんでくると想像していたのだが、15曲前後のセットすべてがオリジナルで構成されていた。聞けば14歳から楽曲をつくりを始め、初めてステージを踏んだのが15歳、今日現在19歳だから、かれこれ5年のキャリアだという。名うての芸能事務所に所属し、ご両親も積極的に彼女を応援されているそうだから、活動を続けるため周辺環境にはストレスがない。しかも、彼女の魅力はその声とステージングだ。自分の声の特徴を活かしたメロディと歌詞、表現力、技術力、ステージ上での艶気の見せかた、あざとさを魅力に変えるMCなどなど、どれもスキがない。これはこわいものなしのはずだ。
が、手強い新人の登場!といううたい文句が使えるかどうかは、今後の事務所のヤル気次第だ。なにしろ、バンドで3曲、弾き語りで4曲、アコースティックで2曲、ふたたびバンドで4曲+2曲のうち、これだ!と思える楽曲が、まったくなかったからだ。14歳当時につくったという楽曲を披露されていたが、19歳でつくった楽曲と比べても言われるほどの変化も成長も差も感じられなかったし、ボサノバ風にアレンジした楽曲にしても、ギターだけがボサノバ風でヴォーカルはボサノバ風とは程遠かった。自分の声の良さを活かすのはよいが、それを使い過ぎると、その良さが際立たない。それは、古くから彼女を支えてきた関西のやさしいおっちゃんたちや、何度も聴き込んできた音楽ファンには通用したとしても、レイオーバーの客の耳をつかむには、いまひとつ決定打に欠けてしまう、という結果をもたらす。つまり、いまの彼女は、曲はいいけどセールスがおろそかになっている、いわゆる楽曲に溺れている状態なのだ。
とはいえ、これまでは活動の軸足を関西に置いてきたせいもあり、首都圏では彼女の良さを知る人は未知数だ。大きなマーケットを残したなかでのワンマン成功は、今後の活動のバネにもなるし糧にもなるはず。そんななかで発表された我らがホーム、ナナカイでのワンマン開催決定の発表。いよいよ事務所がヤル気を出してきた、ということのようだ。12月の開催日までにどんなセールスを彼らが見せてくれるのか。今日はスタンディングだったが、ナナカイならシッティング。規模は今日の半分もいらないにしても、関西からの遠征組を差っ引いた残りの席数を3か月でどこまで埋められるか。お手並み拝見。とりあえず、公式ウェブサイトくらいは今すぐにでも。
しかしおっちゃんたちが若い女子を応援するときのあの画一的な行動は、関西も関東も同じだなんだなあ。主催者からパブリッシュされる「ライブでの注意事項」が詳細過ぎて嗤えるのと同じように、アイドル全盛がもたらしたライブあるあるのひとつなんだろうか。観ていて失笑ものだけれど、彼らが楽しければそれも良し・・・ってところで明日は瀬戸内海を横断。