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ミュージック・ラウンジ vol.2 小倉博和 Wood & Sound

LUCID NOTE SHIBUYA

ゲストのおふたりは楽屋ではなく客席でスタンバイ。ざわざわ。

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今日は小倉さんのワンマン・ショーへ。北沢2丁目。

棺桶にはアコギも一緒に入れてくれと言い出しかねないギタリストが、日本には知っているだけも四人いて、小倉さんはそのなかのひとり。ステージ前半は公演ではなく講演、しかも好演。ギターのこととなると指先だけでなく口先までもが三十年は若がえる小倉さん。興味津々にその講釈に耳を傾け、それに基づく音色からはギターの深い歴史を知る。いい企画。

山弦のぜいたくな三曲は、少し早めのクリスマス・プレゼント。彼らのギター・アンサンブルは日本の原風景と古き良き情緒を想起させる作用があって、BGMとして聞き流すにはもったいなく、といってジャズやクラシックのような難解さはなく、触れると心地良く、掴むとずしりと重く、凝視するには動きが早く、なにげないふうを装いつつも実は注意をひいてくる音。抜群のライブ感。

アンコールで登場した松本さんのうた声には、緩んだ空気をピリッとさせる効果があって、弱った背筋をぐっと伸ばしてくれる。小倉さんの音色はその緊張を少しずつ時間をかけて和らげてくれる。これもまた抜群のライブ感、コンビネーション。

最後は再び、ひとしきり小倉さんのソロワーク。これぞプロの仕業。

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渋音は実行委員会形式で毎年十月、あの渋谷の街中を通行止めにする規模で催されているのだが、せたおんは公財の単独事業としてライブやらワークショップやらを年に数回、こじんまりと行っているらしい。渋音はイッパツ打ち上げ花火で大騒ぎ、せたおんは手持ち花火でワイワイとって感じかな。今日はその「せたおん」の主催公演。いい仕事してる。