ステージが進むにつれて少しずつ歓声が大きくなる客席。
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月に一度はブルーノートへ。今日は貞夫さんのボップ・ナイト・ツアーの最終公演。南青山6丁目。
ホーンセクションをフィーチャーした今回の公演。村田さんのトロンボーンはやわらかいけど強い音。奥村さんのペットは正確無比。小池さんのテナーは独特な拍。サザンファンにはお馴染みのフリューゲルの西村さんはソロでの見せ場はほんの少しだったけれど、あのいかつい風貌とサングラスを見たときになぜかホッとした。新たな出会いはドラムスの竹村一哲さん。精度の高いリズムと緻密に計算されたグルーブ。若く乾いた音がピシッピシッと飛んでくる。そう言えばジャズにはこういう世界もあったなあと。そして小野塚さんのピアノはいつだってやさしい。
貞夫さんのライブには、たとえスイングでもラテンでもスタンダードでも、胸躍るなかにも哀愁と郷愁が、ユーモアのなかにもやさしさが、逆境のなかにも許しと祈りが満ちあふれていて、自分の中にも温かい血がまだ流れていることを知ることができる。みんなが笑顔で終われるライブ。それが貞夫さんのブルーノート。
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渋谷の夜もずいぶん明るくなってきた。