いま必要とする音楽かと訊かれると返答に困る。
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山中千尋さんの延期になった七月の振替公演へ。南青山６丁目。
想像の枠からハミ出すことに躊躇っていた。高く積み上げられたフラストレーションを無駄に爆発させない努力を見た。海外からのエイリアンたちに遭遇しないことを除けば、ひと並みもまち並みも昼夜問わず以前の状態を取り戻したが、多くのライブハウスはその扉を閉ざし、ジャズクラブは客席のはんぶんを失ったままだ。お行儀の良い子どもたちが昼の月を見上げてオトナたちをからかい、老練なタフガイどもが夜のビルの谷間で怪しい呪文を唱えても、彼女と彼らは予期せぬ我慢を続けてきた。聴こえてくる美しい音に耳を集中させることへの喜びに十字を切ったとき、右手にはパラダイスがうっすらと、左手にはゴーストたちが待っていた。今日はそんなライブ。
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ボスのおかげで睡眠と涙が不足気味。