LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

2 PIANO 4 HANDS vol.2 ヒグチアイ × まきちゃんぐ

LUCID NOTE SHIBUYA

試されているのはプレイヤーとリスナー。

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月見ルのダブルピアノ企画の第二夜へ。今日はヒグチさんとまきちゃんぐさん。会場も同じ、二台のピアノも同じ、スタッフも同じ、違うのは演者さんとお客さんとイスの数。当然、昨日と比べながら過ごす。南青山4丁目。

グランドを二台用意するので、なにをどうやるかはおふたりで自由に考えてください、という条件のもと、今日のおふたりは、曲は持ち歌のみにして、なにをいつ歌うかはその場で決め、一曲ごとに交互に歌う、という構成に決めたようだ。選曲も自由に決められるはずなのだが、シンガーという肩書きのせいか、持ち歌のみという制約を設けたおかげで、そのぶん自ら自由度を狭めてしまったようだ。演奏技術においても昨晩のバンドマンの自由度には到底及ばないから、さしづめ今日は、ふたりのソロシンガーによる歌合戦、という様相だった。そうなると、聴いているほうも一曲ごとに勝敗を意識することになる。もちろんヒグチさんのファンはヒグチさんの勝ち、まきちゃんぐさんのファンはまきちゃんぐさんの勝ち。少なくとも前半は。

LUCID NOTE SHIBUYA

休憩明けの後半は、そんな客席の邪悪な空気を読み取ったのか、あるいはあらかじめ決めていたのか、なるべくセッションふうに見えるように選曲と構成を変えてきた。持ち歌しばりはそのままだったが、それを相手に歌わせたり、合唱したり、合奏したり、というシンガー同士のアンサンブル。これでようやくピアノ二台の意味が見えてきた。なかでも、まきちゃんぐさんの「名前」のダブルヴォーカル、ダブルピアノが秀逸。どうやら「持ち歌を交互に」よりも「持ち歌を一緒に」が正解だったようだ。まあ、言うのはカンタン、やるのはタイヘンなんだろうけど。

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しかしおもしろいな、この企画。