LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

CHIHIRO YAMANAKA FEMALE TRIO “Prima Del Tramonto” Special Live 2019 (2nd Day1)

LUCID NOTE SHIBUYA

気が気じゃない(RWC)。

//

久しぶりにジャズのライブへ。南青山6丁目。

山中さんのライブはなんと八年ぶり。当時の記憶を頭の深部から掘り起こしながら聴くと、プレイスタイルはすこしばかり優しくなり、音の柔らかさは大幅にアップデートされたように感じた。年を重ねると尖ったところが丸くなるのは、あの山中さんでさえも避けられない自然の摂理なのか、あるいはあえて自分をそう仕向けたのか、それともこちらの聴く耳がそれを期待していたのか。

今日はキーボードとベースとドラムスのトリオ。全員女性のいわゆるギャルバン。前半はPAバランスが凸凹で、とりわけ左利きのジェニファーの高音弦は、蚊の鳴くような音で耳に届いてきた。きっといい演奏をしているはずなんだろうけれど、というモヤモヤした感覚を引きずりながら、そのままライブは後半へ。この音のバランスが修正されたのは、ジェニファーのソロで始まった本編最後の八木節。ここで彼女が即興したオーバーチュアこそ、四本弦のベースを三本弦の三味線に仕立て上げた今日のベストアクト。遠い昔、山中さんのデビュー盤の制作に参加されたというドラムスのオリヴィアも、この八木節で魅せてくれた。山中さんと見つめ合いながら叩かざるをえないほどにトリッキーなドラムのリズムと、それを支えるジェニファーのベースのリズムが、ここしかないというタイミングで山中さんのアクションと合成されたとき、整然と並べられたブルーノートの客席を一気にカオスに変えた。キメを決めた瞬間に見せる三人のミュージシャンの笑顔は、いつだって美しく、そして頼もしい。

//

ジャズのライブいいな。また頻度上げようかな。