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マイ(OTOGI,ハッカドロップス) 1stワンマンライブ ハッカドロップス×『OTOGI』~流れ星みたい~

LUCID NOTE SHIBUYA

ある意味、ソニーは正しかった。

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この長いタイトルが想像させるのは、本人は相当混乱していたが、腹は決めていた、ということ。円山町。

ハッカドロップスは、60年から80年代前半にかけて、日本の歌謡曲へコピーされた、英国や米国のポップミュージックの特徴的なアレンジを、当時のそのままをそっくり拝借して新しいメロディと歌詞にあてがい、その時代にまだ生まれていなかった20代の女性のボーカルを使って、その時代と今とをコラボレートさせる、というイメージをリスナーに提案するプロジェクトだった。これによく似た別のプロジェクトがある程度の成功を見せたこともあり、ハッカドロップス・プロジェクトは商業的にはうまく軌道に乗せられなかったようだ。採用された楽曲たちはどれも丁寧に作り込まれ、高級とまでは言えないが品質は高かったし、なによりも、ボーカルとして採用されたマイさんの歌声は、このプロジェクトの楽曲にはぴたりと嵌まっていた。今日のライブは、マイさんにとっての初めてのワンマンであり、ハッカドロップスにとっては最後のワンマンであり、OTOGIにとっての最初のワンマン、という位置づけだ。したがって、ハッカドロップスは今日で見納め、ということになる。

OTOGIという名のクレジットは、一般発売に先行して手売り用に手づくりされたチケットには印字されていなかった。そのチケットを手渡ししてくれたときの彼女は、メジャーというそれまでの居場所がなくなり、先のことを考えると不安ばかりで、ブッキングのステージで歌うときだけがいまの自分の居場所、という風体だった。あれから今日まで、彼女にどんな出会いがあって、どんな動機で彼女が動きはじめたのかはわからないが、今日の彼女は、OTOGIという新しい居場所を得たことの喜びを、心配させていたファンと共有することで、昨日まで抱えていた不安を払拭しているようだった。数少ない今ある楽曲だけを使い、ただOTOGIをお披露目するためだけの、ほとんど工夫も内容もないステージだったけれど、一曲目から4つ打ち(ベースではなくキーボードで)、ギターは抱えずハンドマイク、サビではアイドル風情よろしく客にタオルをぐるぐる振り回させる、というハッカドロップスとは全く違う楽曲とアレンジとステージングに、少々度肝を抜かれた。これからどんな方向性で、どんな楽曲をつくり、どう楽しませるのかなど、具体的な内容はないままに、まずは資金を集める、という段階のマイさんのこの新しいプロジェクト。これからどんな展開を見せるのか、たまに遠目で気にしながら様子を確認することになりそうだ。

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ネストの低音の下品な響かせ方には、いつもうんざり。