東京ドームの2日目。
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来年30周年を迎える東京ドームは、開場からずっと野球場として君臨しているのだが、ここで野球のゲームを観たことは、一度たりともない。後楽1丁目。
東京ドームは、来るたびに音が良くなったなあって思う。ただまあ、アリーナ公演と比べるとどうしても演奏も演出も大味になりがちだし、迫力はあるけれどあまりに広すぎるせいでパワーがそのぶん分散し、見た目ほどの音は届いてこない。バンドの音がひとかたまりに飛んでくるアリーナに対して、ドームの音は楽器ごとにバラバラに音が飛んでくる。ソロをフィーチャーするときは功を奏するが、曲全体のイメージをとらえるには難しい、音の分散と同調するかのように客の集中力も分散するようで、ステージから遠い席になればなるほど、中座する客が多いのもドーム公演の特徴だ(ビール呑み過ぎ)。曲中だろうがMC中だろうが、目の前や横をひっきりなしに客が通り過ぎるので、どうもステージに集中できない。こういう場合は、肩ひじ張らずリラックスして楽しむ方法を強制的に学ぶことになる。
今回のツアー公演も、おおむね2時間半の長丁場。ファンが求めているはずの人気の曲も、ファンなら聴いてくれるはずと桑田さんが選んだ最新曲も、これくらい尺があればどちらも聴くことができる。新しめの曲たちは人気の曲たちよりも観客の反応は薄いけれど(いつものことだ)、何度も聴かされていくうちに、やがて曲が観客の心をとらえ、次第に自分の曲だと認識するようになる。すでに想像していた以上に大化け、中化けした曲がいくつかあって、こういう発見と変化を体感するには、この場に足しげく通うしかない。ライブってやっぱりいい。音楽ってやっぱりいい。桑田さんってやっぱりいい。
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次は、利府町。