
約束の基地。
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揺れた当日の夜はここにいた。徒歩で帰宅する人たちの流れに逆らいながら、渋谷のいくつかのライヴハウスのスタッフさんたちの被災状況を伺いつつ、最後にたどりついたのがここ。渋谷3丁目。
あの揺れの中にあっても、天井からつるされたパンやワインのボトルも、なにひとつ壊れず無事だった。一見はどこよりも脆そうな造りの建物なのだが、渋谷駅が立地する頑丈な地盤に隣接する区画にあり、人生経験豊かな森谷さんの生命力で守られた秘密基地だ。
今日の喜多さんのバヨリンはガット弦。旧いレコードを聴いているようなノイジーな音色は、優雅で繊細に、ときに力強い。タンゴ、クラシック、ジャズ、ポップスを黒田さんとのアレンジで不思議な空気感で聴かせる。強烈な印象。
小さな物音ひとつでビクついてしまうくらい感受性が高まっている今。どうせなら音楽でビクつきたいね。
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テレビは見ずに、ネットが情報元だったいう喜多さん。同じ状況で情報を得てきたからこそわかるのだが、そう、テレビがなくてもこの状況を乗り越えることは充分可能だ。