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樹里からん レコ発ワンマンライブ「She-loves jazz-」

LUCID NOTE SHIBUYA

関係者に配布されたセットリストのあのペーパーですが、見せたい人にはいいけれど、見せたくない人にはちょっと大き過ぎです。こっそり見ようとしなくても、もう丸見えです。

普段のナナカイと言えば、二十歳前後の若手の男子女子が、自前でライティングしたポップス調の曲を、弾き語りやせいぜいスリーピースなバンドで、一生懸命に若さ溢れる声で歌う、そんなイメージが強い。時々、とてつもないミュージシャンがこっそり演ってくれるときもあるけれど、大抵は、まあ、そんな感じがナナカイの日常だったりする。

そんなポップなナナカイのイメージを、ジャジー・ガールの樹里からんさんの歌声がどんなふうに変えてくれるのか、あるいは変わらないのか、期待半分、不安半分で挑んでみた。

今日は、最近巷でウワサの阿部篤志さんがピアノ。やっぱり彼がバンマスだった。他にギター、ベース、ドラムス、サキソフォンと豪華絢爛。後で聞いた話によると、生演奏では不可能な打ち込み部分だけをリ・アレンジしただけで、他はCDの音づくりをそのまま生かした演奏だったそうだ。PAの五十嵐さんもかなり苦労と工夫をされたとは思うけれど、最近、ド・ジャズなライヴを聴き過ぎてるせいもあって、ジャズ・アレンジのはずが、どう聴いてもポップスにしか聞こえなかった。

樹里さんの声は、大勢の力技でガンガンやっちゃうような声じゃないと思うんだけれど、いっそのこと、もっといじってインプロで遊びまくるとか、ドカン!しっとり、ドカン!と盛り込むよりも、スロー・スタートで徐々にアゲるだけの構成にしてみるとか、レコ発っていうお披露目的な制約もあったのかもしれないけれど、いずれにしても、全般的にハリキリ過ぎ。ある意味、本来のナナカイらしい若いライヴで良かったのかもしれないけれど、70、80年代の曲を意識するなら、もっとアダルトでシンプルなライヴが良かったかな・・・次回は、樹里さんの声を、あのオイシイ部分をしっかり活かせる会場で是非。