読みごたえたっぷり。観ごたえ散々。
//
きょうは黒木華さん主演の舞台「NORA」の二日目へ。西池袋1丁目。
もしも最新のテクノロジーを使いまくって芝居を演出すると、良質な古典もまるっきり陳腐なものになる、という見本のような舞台。複雑な人間模様を観客に理解させる必要があるシナリオではまったく時間が足りないから、とりわけシンプルな古典のシナリオを使ってみたらこうなった、ってところだろうか。謎解きなし、どんでん返しなし、先も読めるし、オチもわかる。東大合格者なら四百字詰めの原稿用紙のはんぶんくらいでさらりと要約できるとてもシンプルなストーリー。だからこそ役者さんの役者としての技術がとても重要になるはずなのだが、友人との再会もテキストで「久しぶり!」、夫婦がお別れするときもテキストで「さようなら」。スマフォを使って素早くタイピングできない役者さんはもはや用無しの時代遅れとでも言いたいのか、セリフの約九割がテキスト入力、客はそれを読む、という舞台。ちなみにフリックで入力していた役者さんはいなかったような・・・どうだったかな。
いちばんの問題は、ストーリー展開をつかむためには、矢継ぎ早に打ち込まれるそのテキスト(セリフ)をずっと読みつづけなければならないこと。したがって視線はずっとテキスト画面に釘づけで、スマフォと格闘しながら、表情、しぐさ、うごきを変化させる、という役者さんの微妙で瞬時で重要な芝居をほとんど観ることができない。大好きな黒木さんの芝居を見たかったのに、じつはずっとスマフォのスクリーンばっかり見せられていた、という印象。こんなストレスフルな芝居は初めて。まいった。
というみっともない状況に途中で気づいて、そこからはなるべく役者さんの芝居にも目を配るように。勝地さんはスリーピースがやたらと似合うなあとか、黒木さんは股関節が柔らかくてダンスもとびっきりキレッキレだなとか、鈴木さんの底知れない恐ろしさと単純さはリアルだなとか、瀧内さんのセリフに連動して首が動いてしまう癖は直したほうがいいんじゃないかなあとか、どれもストーリーとはまったく関係のない感想なんだけれど、でもこれが精一杯。
//
というわけでこの芝居、もう一度、リベンジ観戦。