LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

2nd E.P Release Live 『at TWO』-追加公演-

LUCID NOTE SHIBUYA

竹内さんの新盤は6月26日、ボスは6月14日が発売日。おこづかいためナイト。

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スペースオッドの天井は高くステージは低い。珍竹林。猿楽町。

この曲のこの小節はこの楽器をフィーチャーするとか、ここは一気に上げてここは徐々に下げてなど、ミュージシャンの細かいリクエストを正しく理解して臨機に応えられるハウスPAさんを、渋谷のライブハウスで見かけることは稀だ。したがって、音響操作に頼ることなく、表現したい音を手元の機材と楽器だけでどこまで再現できるかがミュージシャンの腕の見せどころだ。今日の彼らの演奏も、大阪と東京を経て三回目にしてやっと音が塊ってきたようで、過去二回のハードルを軽く超え、ベストアクトと言っていい。ただしその音が、リスナーが潜在的に望んでいた音だったのかどうかは別のはなしだ。

バンドは鍵盤、ギター、ベース、太鼓の4人。谷川さんはギブソンに持ち替えたときこそ音が生き返る。竹内さんのアコギの音とかぶることはないが、エレキなのでアコギの音はどうしても聴きづらくなる。名村さんの音には現役感がない。新人の竹内さんとは好対照なポジショニングだが、それはそれでおもしろい音。岡本さんのドラムは湿った音がずっと重く、弾けるような軽さがまるでない。竹内さんの楽曲にはまったく合わない眠い音で、今日のステージを含めて過去の公演すべてにおいて、彼の音がこのバンドのボトルネックだった。あえて贔屓目に書くと、渡辺さんがいなかったらこのバンドの音は空中分解していたし、竹内さんのフレッシュなパワーとモチベーションがサポートメンバーを逆にサポートしていた。というリスナーの感想を察知したかのように、今日はバンド抜きのアコギソロを3曲も披露(過去2公演では1曲のみ)。昨年の大阪ワンマン以降聴けていなかった「Blue」は、3月の代官山で「封印していない」とおっしゃっていたデビュー前の良曲。彼女が繰り出すギターの音は、けっして上手いわけではなく「うまく弾いているふう」の音なのだが、楽曲として聞こえてくる音は、想像をはるかに超えるアレンジでつくりこまれた音であり、結果として「うまく弾いている」音となって耳に届いてくる。今日の「Blue」は、この彼女のギター演奏の良さの秘密が随所に見られた名演。また聴けて良かった。

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本日発表された9月のツアー。バンドメンバーはまだ決まっていないそうだが、本ツアー同様、だれがメンバ―に選ばれるかで行くかどうかを決めようかと・・・。