LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

矢野顕子 & マーク・リーボウ

LUCID NOTE SHIBUYA

ノン・ジャンル、ノン・テーマ。今日も歩いた。夜風は意外と涼しかった。

相変わらずキュートで自然体な矢野さんの音楽は羽が生えたようにブルーノートのフロアを飛び回る。矢野さんの背中に羽が見えたなら、きっと天使。いや、悪魔か?

鼻先に乗っけるように眼鏡をかけるマーク・リーボウさんは、ハンドメイドの小さな精密時計を作る職人さんのような風情でギターを弾く。バンジョーやアコギの音はやさしく繊細で、エレクトリックな音は静かに漂う感じ。ほんとに職人さんのような音楽。

そんな天使と職人がふたりで奏でる音楽は、緊張感のある良質な音たちでした。オーラスでは長めインプロビゼーションもあったりして、もう感無量。

「今日の音楽はなんだったんだろう?」って・・・、今回に限らず、矢野さんのライヴではいつも感じる。音楽の「ジャンル」を、SAで解を求めるのは困難で、そのためには同じ尺度の選択肢を用意すべきなのに、それさえも困難な世界。

逆に、すんなりとジャンル分けできるような音楽って、「流行っては消え」を繰り返す、消費だけを目的にした音楽なのかも・・・。