LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

ULC vol.0

LUCID NOTE SHIBUYA

テーマは「若いころにつくった曲」。

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今日はジージで四組の対バン。宇田川町。

ジージのブッキング・マネージャーの鉄平さんは、若手の女性SSWばかりを集める企画を得意としている。平均年齢は高くても二十代前半、日によっては十代後半、現役の女子高校生が含まれることもある。なかにはとんでもないど素人に遭遇することもあるのだが、鉄平さんのすごいところは、これを十年以上前からずっと絶えず変わらず続けていること。過去に彼がブッキングしたミュージシャンを眺めてみると、いまではメジャーなステージで大活躍しているひと、少しだけ活躍したひと、変わらずインディのシーンで歌い続けているひと、表舞台から裏方へまわったひと、音楽からはすっかり遠ざかったひと、それでも戻ってきたひとなどなど、さまざまな事情や歴史、人となりや生きざまを想像したり垣間見えたりするから、なにかと興味深い。

今日のジージはまさに、そんな不埒な客のニッチで下衆な興味をそそる、これぞというブッキング。ただし企画したのは鉄平さんではなく、渋谷イチの凄腕PA、五十嵐さん。過去に鉄平さんが底引き網でざっくりと採ってきた多勢のミュージシャンのなかから、五十嵐さんが活きのイイのをこっそりヨコからイッポン釣りしてきたような対バン。あのころ渋谷で歌っていた若手女性SSWも、いまではすっかりママさんだったり、拠点を都心から地方へ移していたり、ソロからバンドにシフトしていたり。そんな彼らに共通していたのは、たとえ細々であっても音楽を続けていること、続けようとしていること。地面にしっかりと足をつけて自分なりの人生を歩んできた姿をその歌声から想像できたとき、ほんのりと泣けて、ぐっと元気でた。さすが五十嵐さんが選んだミュージシャン。彼の耳はいつだって正しい。

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平さんは久しぶり過ぎてまったく思い出せず。もはや新人。ほかのみなさんはすべて初聴。やはり新人。彼らが音楽を続けていなかったら、こうして出会うこともなかったわけで。