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土岐麻子 Toki Asako Special Live “Break Out, Sing Out!” – 東京公演

LUCID NOTE SHIBUYA

好きなオンナのナミダにはかなわない。

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土岐さんの今年の春のツアーが終わった。今日が楽日。赤坂9丁目。

セカンドセットのアンコール。HOMEを歌い終わった土岐さんのあの潤んだ瞳のきらめきは安堵のナミダか、はたまたステージメイクのラメだったのか。不安やら迷いやらをたくさん抱えたまま初めて挑んだ自主企画ライブ。成功してなにより。この成功は今後の土岐さんの活動に良いことしかもう浮かばない。

一方で。駄菓子貸し。

固定のサポメンを持たずに今日まで活動を続きてきた土岐さん。頼り甲斐のある、気の置けない、常に安定した、ファンにとってもHOMEになれるバンド・メンバーがいるといいなあ、と思いながら今日のライブを聴く。奇をてらいたかったのか、流れにまかせたかったのか、対案が思い浮かばなかったのか、あるいはギャラの問題だったのか、今回の奇怪なバンド・アレンジは、今までの土岐さんのライブではあり得ないクオリティ。なんでドラムスを下手の端に置いたのか、ファゴットはどんな役割だったのか、どうしてサックスはあんなに音量のアンブシュアを続けるのか、どうしてキーボードは不快なコードを多用するのか、どうして土岐さんはいつもは張らない声を無理に張って歌いづらそうにしているのか、おそらくバンマスは一つひとつの疑問に明確で合理的な回答と理由を持っているんだろうけれど、それらがまるで伝わってこないライブ。こういうライブを土岐さんの今後のスタンダードにはしてほしくないよなあ。今日だけを楽しみたいひとには通用しても、明日も楽しみたいひとにとっては不安でしかない。

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というわけで、秋のツアーにも期待大。