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Collaboard Shinagawa Vol.4 土岐麻子 with 畠山美由紀

LUCID NOTE SHIBUYA

必見必聴のドリーム・マッチ。

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二日目の今日は、土岐さんと畠山さんのボーカル・セッション。高輪4丁目。

選曲の動機や経緯、その曲への思い入れや評価、あるいは歌詞の解釈にまで踏み込みこんで、これから歌う楽曲を丁寧に紹介する畠山さん。ありったけの笑顔、まっすぐな姿勢、底なしの艶気、真摯なうた声。そこに土岐さんが絡みつくように、支え合うように、挑むように、日本の民謡、演歌、ムード歌謡を聴かせてくれた前半。ワンマンではけっして選ばれない楽曲群をふたりでじっくりと唄い合う。「圭子の夢は夜ひらく」がその前半の佳境。楽曲そのものの良さを教えてくれるプロフェッショナルなシンガーの夢のコラボレーション。ブルージーなアレンジも、ほっとけばそのままトム・ウェイツ。実にかっこいい。これ音源にしないかな。こんな土岐さんは見たことがないし、こんな美由紀さんも聴いたことがない。超レアもの。

後半は美由紀さんのソロ・ワークから。まるで土岐さんを挑発するかのように「ワルツ・フォー・デビイ」を選曲した美由紀さん。ステージ奥の暗がりでそれに耳を傾ける土岐さん。この離れワザにドキドキする土岐さんのファン。やるな、このふたり。美由紀さんの「わが美しき故郷よ」と土岐さんの「HOME」へのリレーションが後半のヤマ場。ふるさとに対するアプローチや捉え方、概念などは意図なく相反してしまう二曲だけれど、その思いとその先は実はまったく同じところにあって、ふるさとって地名や場所だけじゃないんだってことを、この二曲で教えてくれる絶妙なコンビネーション。いい楽曲にいいライブ。音楽ってすごい。

LUCID NOTE SHIBUYA

ロビーの抽選会場でカセットテープを引き当てる。カセットストアデイ。土岐さんもエントリーしたらしい。新譜かな、旧盤かな。