LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

JiLL-Decoy association Christmas Tour 2021 in Tokyo

LUCID NOTE SHIBUYA

メンバーぜんいんが還暦を越え、フロントマンも前期高齢者の、だれもが知っている某ベテラン国民的ロックバンドも、二十年前にギターマンが脱退。いまも正式メンバーにギターはいない。

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ジルデコ名義では四年ぶり、トリオからデュオへ編成されてからは初めて、ホールで聴くのも初めて、と書くとまるでミニマム級だけれど、ジルデコ2から聴き続け、通算二十回目くらいのライブだからバンタムまたはフェザー級くらいだと思う。道玄坂2丁目。

さて、ギターロスのトラウマからどう脱却したのか、あるいはしていないのか。今日の楽しみはその一点のみ。抜けた穴を埋めるのか、抜けたままにするのか、そもそも穴なんてねえよ、とするのか。新生なのか、継続なのか、進化なのか、復活なのか。悩みに悩んで悩みぬいて、やっと決めた方針をコロナがすべて曖昧にしてしまったようにも見えるけれど、それでも今日はやってきた。メリー・クリスマス。

1曲目、chihiRoさんのホイッスル・ボイスにのけぞる。最新アルバムは、原曲を五線譜の線一本にいたるまで時間をかけて丁寧にバラバラにし、ジルデコという接着剤でゆっくりと組み立て直したような、ここにしかない逸品。サブスクの再生回数は他曲よりも少ないけれど「虹むそら」はずっといい曲。今日のエレピは代替ではない。towadaさんの手数のやかましさは継続。今日はそんなところ。彼らにも確実に来年はやってくる。

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終演後にヘビー級リスナーと再会。ライブ後に情報共有できる時間がたまらなく愛おしい今日この頃。