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MAYU KISHIMA BLUE NOTE TOKYO meets CLASSIC – 2nd

LUCID NOTE SHIBUYA

木嶋さんのライブは三年半ぶり、伊賀さんの鍵盤は十二年ぶり、一本さんはおそらく初聴。

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今日は大好評のミーツ・クラシック企画の第四弾。南青山6丁目。

美しさをより強く、繊細さもより強く、優しさもより強く、軽快ささえもより強く、とにかくあらゆる音楽的要素を力づよく、力まかせに、力ワザで押しまくるライブ。音をねじ込んでくるパワーは強迫的で、休む間もなく連続的だ。この大一番でカーブもフォークもない三球ぜんぶ剛速球のストレート勝負。並外れた自信と度胸と勇気がないとできない選択だ。すごい。

が、そのピッチャーはノーコンだった。バンドの音がバラバラなのだ。バッキングのふたりはフロントのパワーにずっと押され気味だった。調和とか協調などはこの世には存在しないとでも言いたいのか、あるいは私に付いてくるだけでいいとでも言いたいのか。彼女は無尽蔵にあっちこっちに投げ込んでくる。ライブ後半の木村さんの楽曲の中盤で、ピアノとウッドベースのユニゾンが聴けたシーンがほんの数小節だけあったのだが、それがこの公演唯一の安息の地。ほどなくフロントマンのパワフルなカットインですべてがリセット、元の木阿弥。自分の力だけを信じたピッチャーの投球には、グルーブもアンサンブルもいっさい感じられなかった。

クラシックの楽曲をジャズ風にアレンジし、それをバンドで演奏し、さらにそれでリスナーを感動させるのって、そうとうむつかしい作業なんだろうな。

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それでも月に一度はブルーノートへ。