LUCID NOTE LUCID NOTE | what Shibuya living in SHIBUYA have seen and felt

木嶋真優 ヴァイオリン・リサイタル

LUCID NOTE SHIBUYA

軽部さんとカトパンさんも来てたよ。

//

今日もバヨリン。先週は痛い目にあったので今日こそは本格派のクラシックのライブを。紀尾井町。

その一曲だけを聴きたい、という理由だけでこの公演を選んだ。セットリストを事前に告知するという習慣を持つクラシックのライブにおいては、もっとも正しい選びかたなのかもしれない。クラシックの、あるいはバヨリンの音など、だれが演奏しても同じ音に聴こえてしまうという不慣れな耳を持つクラシック素人にとっては、目的の曲さえ聴けるなら、たとえ演奏者が、週末の赤坂のクラブで客に無理に酒を飲ませてその分け前をもらうことに精を出してそうな見かけの女性だったとしても、演奏を始める直前にパールのピアスの着け心地を気にしてしまうような几帳面な女性だったとしても、ステージ上で腹にテールを強く押しあてて硬いペグをゴリゴリと調節するような豪快な女性だったとしても、感情の起伏が眉の動きと連動するようなポーカーフェイスが苦手な正直な女性だったとしても、まったく気にならない。さらに今日のような腕のたしかな演奏者であればなおさらだ。

聴きたかったその一曲は、セットリストの三曲目。世界で初演の「マゼンタ・スタリオン」。まるで今日の木嶋さんのこの公演のためにだけに作曲されたかのような、臨場感と躍動感と緊張感のあるリアルなストーリー展開は、今日のセットリストのなかでも頭ひとつ抜きんでていた。演奏後に木嶋さんがこの曲の作曲者を紹介しようと二階席に手を指し示すと、観客がいっせいに振り向き、仰ぎ見た。平井さんがヴィターリやバルトーク、スメタナ、ラフマニノフという名作曲家と肩を並べた瞬間だ。少なくとも今日だけは、という注釈が不要なほどに上質な曲と上出来な演奏。クラシックのライブはこうでなきゃ。

//

なんと明日もバヨリンのリサイタル。これでバヨリンの三連ちゃん。狙ったわけじゃないんだけど。