LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO with special guest KAORI MURAJI – Day1 2nd

LUCID NOTE SHIBUYA

上から下まで紫色の派手なスパンコールのドレスを全身に纏い、明るく染めて大きなウェーブで頭の上に大きく盛ったヘアスタイルで登場した彼女は、ネオンのまばゆい昭和な街の裏道にたたずむ古い小さなスナックで、たばこで低くなったガラガラの声で平日の安い常連客だけを相手にしゃべるチーママの・・・いや言い過ぎか。

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月に一度はブルーノートへ行こう。南青山6丁目。

19名の大所帯。ぜんいんのスケジュールを押さえるだけでもまとまった仕事として成立しそうな人数。しかもその顔ぶれを拝見する、それなりのチームでそれに取り組まないとぜったいに上手くまとまりそうにない。加えてじつは告知した公演日が一度チャラにされたと聞くと・・・。どの業界も現場はたいへんだよな。

エリックさんはビッグバンドじゃなくオーケストラだとおっしゃってたけれど、ライブはそこまで洗練された音ではなく、力技でぐいぐいと押していく感じ。繊細な音も出せる、ともおっしゃってたけれど、そこにオーケストラのような優雅さはなく、ボリュームの強と弱で表現する大味な音。「スペイン」はメンバーの何人かはやり直したかったんじゃないかな。ただしそういうライブを期待してた身としては、彼の言うビックバンドで上等なのだ。そこに優雅に洗練されたクラシック・ギターの音が重なるからこそおもしろいはずなのだ。要するに、彼は少ししゃべり過ぎたのだ。

ところが村治さんも少しやり過ぎた。彼女が立ち上がって演奏する姿を初めて見た。抱えるギターはなんとエレキ・ギター。さらにそれを爪弾きするという。しかもあの衣装。激レア。音なんて聴いてられないくらいの衝撃度。おもしろかったからいいけど。ただ一曲。彼女のクラシック・ギターの音色は思いのほかブルーノートによく似合ってた。村治さんがブルーノートでリサイタル。あるといいな。行きたい。

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19名のうちライブで既聴のミュージシャンは拓夫さん、浩二さん、立飛さん、竜さんなどほんの数名。日本のプレイヤーもこうして眺めるとまだまだ奥が深い。