これがウワサのドゥボヤンカ、とシャクハチ。
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お昼は駒沢で黒い仔羊たちと赤い海豚たちの情けないリーグマッチを、夕方は祖師谷でクニさんの素晴らしいワンマンショーを。祖師谷4丁目。
どれだけ行きたくてもチャンスに恵まれないとなかなか実現できないもので、なんと七年ぶりとなってしまった田中さんのムリウイでのソロ公演。それでも当時の記憶がしっかり残っているところが彼のライブのすごいところ。今日はその記憶の上書きではなく大幅に追加されるパフォーマンス。演奏はメロディもリズムもコードも数小節で変化するインプロビゼーション。中学校の吹奏楽部に入部した新一年生が初めて手にしたサックスで一生懸命に正しい音を出そうといろんな方法を試しているような、それでも目指す先の音はいわゆる良い音とか上手な音とされる音ではなく、田中さんがそのとき出したい音であり、聴くものをけっして不快にさせない音であり、結果的にひとつの楽曲として成立させる技術とそれに挑戦する姿勢の披露こそが、ムリウイでの田中さんのソロライブだ。今日の楽器はバリトン・サックスに加えてバス・フルート、ドゥボヤンカ、尺八などなど。楽器ごとにアンブシュアは異なるはずなのにどれもすこぶる正確で流暢で、しかもどれも正解は聴くものに委ねられている。地に足を着けた、血の通ったライブ。そしていつだってムリウイの夕陽はキレイ。
明日はシモキタとシブヤのダブルヘッダ。