LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

2 PIANO 4 HANDS vol.3 Kie Katagi (jizue) × 井上惇志 (showmore)

LUCID NOTE SHIBUYA

初日、二日目ときたら最終日も行かないと。皆勤賞。

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このライブ様式を月見ルではパラシュート・セッションと呼んでいるらしい。南青山4丁目。

今日はジズーのキエさんとショウモワの井上さんによるタイトル通りのピアノ・セッション。前夜と前々夜は歌もの、三日目にしてやっと混じり気のないインスト。まるで今日のために初日と二日目があったような気分にさせるステージ。

井上さんはソロ名義でのライブ出演は初めてで、いつもの姿はバンドマンだそうだ。したがってオリジナルの楽曲は少なく、スタンダードを中心に選曲されていた。彼の鍵盤の音は、ジャズマンじゃないひとがジャズを弾くとこうなる、という響き。キエさんはジズーと同時進行でソロでも活躍中で、オリジナル曲を軸に弾きたい曲を弾くスタイル。彼女の音は、ひとに聴かせることに慣れている音。おふたりともバンドマンだから、音を合わせるときはお互いに自分の音を変える技を知っていて、それを実践されていた。おもしろいな、このふたり。彼らの音は、この三日間のなかでもっとも音が若々しく、生々しかった。お客さんの平均年齢も今日がもっとも低く、彼らは彼らとともに同じ時代を生きていて、このまま一緒に時を過ごしていくわけだ。いいなあ、いいライブ。

LUCID NOTE SHIBUYA

今回のこのダブルピアノ企画、店長さんによると五年前にもやったそうだ。ピアノ二台の三日間のレンタル費用は、もっとも客数の多かった初日の入場料を三倍しても賄えないくらいの額らしいのだが、それでも年に一度の頻度でやりたい、とおっしゃるくらいにお気に入りの企画だそうだ。彼のその熱意にほだされて皆勤したわけではけっしてないのだが、兎にも角にもおもしろかった。次回はぜひ三日間通し券を。

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でもまあ正直なところ、初日の成功がなかったら今日はなかった、かな。