布袋さん登場っ!
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一度は行っときたいライブシリーズ、第四弾はマーチンさん。神南2丁目。
そもそもどんなライブをやる人なのかまったく知らない状態で行くわけだから、観るもの聴くものすべてがサプライズ。ど派手な演出で始まった一曲目の途中、「今日は強力な助っ人を呼んでます」という鈴木さんの呼びかけを合図に、ステージ上手からものすごい勢いで飛び込んできたのは明後日から全国ツアーが始まる布袋寅泰さん。最初は信じられなかった客席も、あのギターリフが始まると一気にスタンディングの大騒ぎに。布袋さんは今回の鈴木さんのアルバムの一曲目をプロデュースされたそうだ。ちなみに鈴木さんのソロデビュー曲でギターを弾いているのも布袋さんで、それはボウイが全国に跳ねる直前の出来事。歴史だね。
ツアーも途中だから内容には触れないけれど、鈴木さんは今も昔も提供された曲を歌うシンガーだ。自分では歌をつくらないから、ほかのだれかが歌をつくってくれないと鈴木さんは仕事ができない。たとえばアルバムなら、最初は大沢誉志幸さん、二枚目は山下達郎さん、三枚目では小田和正さんがプロデュースを担当をされている。今回のアルバムも一曲ずつプロデューサーが違っていて、多くのミュージシャンが寄ってたかって鈴木さんをサポートする、という体でつくられている。ということを踏まえて今日のセットリストを改めて眺めてみると、今回のツアーで鈴木さんは、いままで手伝ってくれた多くの音楽仲間に対して、シンガーとしての誇りとその報酬を支払うことに徹しているようだ。リスナーは鈴木さんのその姿から、昭和の音楽の歴史の一端と、途絶えることなく繋がりつづけた運命と、積み重ねられた底知れない歌のパワーを、いやというほどに見せつけられる。すごい。圧倒された。そしてなによりべらぼうに、歌がうまい。
かっこつけなくても充分かっこいいのに、それでもなおかつかっこつけようとしてがんばる姿には、女の子にモテたくて音楽を始める十代のガキとなんら変わらない男のサガを感じたなあ。たとえ還暦を過ぎても男はいつまでたっても子どものままなのだ。