LUCID NOTE LUCID NOTE | what Shibuya living in SHIBUYA have seen and felt

Nozomi Nobody × Keishi Tanaka『 Nozomi Nobody presents “Gift” 』

LUCID NOTE SHIBUYA

明日のことは忘れて何度も何度も、生活を聴く。

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そこに見えるはアップライト。代官山町。

渋谷のメインストリームにはなれそうにない渋谷ストリームと、歴史と伝統を自ら否定することを決めた山手線の線路を左手に、立ち退きや移転が進んで灯りがすっかり消えた桜丘ゴーストタウンを抜け、並木橋をくぐった先にあるのがWGTだ。音楽がメインのライブハウスではなく、ジャンクなフードが楽しめるカフェ・ダイナー。Nozomiさん曰く、おすすめはクラシック・ハンバーガー。今日はここで、彼女が企画した彼女とTanakaさんのツーマンライブへ。いい音楽はいい環境で。

Nozomiさんの歌は今年はこれで3回目。記事にはしなかったのだが、過去2回は渋谷1丁目のHOMEでの対バン。頑固な彼女はギター弾き語りでしかライブはやらない、と勝手に思い込んでいたのだが、今日はギター、キーボード、ドラムスをサポートにしたバンドセット。ストラップを肩からはずし、スタンドマイクで歌う彼女の姿は新鮮で、ハンドマイクにいたってはもはや別人。思い込みってよくないね。

彼女が今年リリースした「生活」が好きだ。ヴォーカルとグランドだけの、短くシンプルで美しく、優しく綺麗に仕上がっている曲なのだが、このピアノのアレンジにいつもやられてしまう。これを響きを控えめにしたアップライトと彼女のギターで生々しく聴くのが目下の夢。デジタルではなくレコードのような音のライブ。実現したときはたぶん号泣する。今日は本編最後にギター一本で。WGTはステージからの距離と音の響きが比例するやっかいな構造で理想からは遠い音だったけれど、それもまた良し。彼女もメインストリームには乗りたがらないタイプのミュージシャンだが、こんなふうに曲をつくって歌えて人を感動させることができる人。かっこいいなあ。

LUCID NOTE SHIBUYA

楽しかった街がどんどんつまらない街に変貌していく過程を見せつけられている今日この頃。