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ヒグチアイ band one-man live 2018(東京公演)

LUCID NOTE SHIBUYA

ヒグチビート。

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メジャーへ引っ越して以来、制作と営業のルーチンで忙殺されているのか、すっかりライブの本数が減少してしまったヒグチアイさんの貴重なワンマンライブへ。昨年の記事を読み返してみると、よほど気に入らなかったようで、遠回しにコキおろしていた。さて今回はいかに。北沢2丁目。

ここなら昨年のように爆音に誤魔化されることはないだろうという安直な反省のもと、今日は関係者界隈でごったがえす後方の後方、卓のそばで聴く。ステージ上の主役は座って演奏するが、フロアはオールスタンディングのせいで、脇のケイは見えるが軸のアイはしっかり視界の外。今回の彼女も、これ以上増やせないほどの音数とこれ以上高くできない音圧で、昨年に負けず劣らず攻めてきた。固くにぎった拳を高く振り上げてオーオーオーと声を上げて楽しむようなライブを、どれだけのリスナーが期待していたのかは疑問だが、ライブハウスの使い方としてはまったく正しく、彼女の良さを味わう環境としてはまったく正しくないということを、昨年と同様、今年も確認することができた。的外れでもいい、演奏も大味なものでいい、ステージも観えなくてもいい、たたただ爆音のビートで揺られたい、なんなら拳も振り上げたい、そんなリスナーにおすすめのライブが、いまの彼女のライブだ。これなら代替になるものがそこらじゅうにごまんと散らばっているけれど。

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渋谷に戻ると、新盆でも旧盆でもないのに盆踊りという名のイベントを交通を規制してまでやっていた。これもしっかり的をハズしている。人さえ動員できるなら何だっていいのだ。