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山下達郎 PERFORMANCE 2018(4日目)

LUCID NOTE SHIBUYA

NHKホール前の掲示板。この並び、じわじわくる。

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そのどちらのライブにも行けたという幸せ。歩いて7分。神南2丁目。

火曜日のサザンと比べながら過ごしてしまった。たいへん失礼なことなのかもしれないけれど、こればかりはどうしようもない。もしも、達郎さんが先でサザンがあとだったなら、そんな過ごしかたはできなかったと思う。サザンファンには都合のいい順番。

LUCID NOTE SHIBUYA

そもそもライブに対する思い入れも、音楽活動に対する姿勢もアプローチもまるで違う。サザンはイッパツに強く、達郎さんはルーチンに強い。サザンのライブはオープニングから総立ちになり、一曲ずつイントロが始まるたびにどよめきが起こる。達郎さんは一曲目は決まって必ずあの曲だし、選曲こそ違えども構成は毎年ほぼ同じで、最初から最後まで落ち着いて過ごせる。サザンはバンドとしてのサウンドにこだわり、電飾をふんだんに使ったステージセットが煽情的だが、達郎さんは音質にこだわり、大人しめだがディティールに工夫を凝らしたステージセットは知性的だ。

こんなふうに相違点を見つけるのは簡単なのだが、いっぽうで共通点を見い出すのはこれがなかなかむつかしい。あえて挙げれば、たとえファンじゃなかったとしても、一度はどこかでなんとなく聴いたことがあるような曲が多いってところだ。達郎さんもMCでおっしゃってたけれど、「知ってる曲をやると客は喜ぶ」っていうのは、まさにその通り。にわかファンでもライブはしっかり楽しめるし、楽しませてくれる、そういう楽曲を達郎さんもサザンもたくさん持っている。というかそういう楽曲ばかりだ。こういうミュージシャンは日本では希少だし、そんなライブに遭遇できるのはもっと稀だ。しかも週に2回、連続で。こんな体験、もうないだろうなあ。

LUCID NOTE SHIBUYA

NHKホールをまじめに褒めるのが達郎さん。NHKをギャグのネタにするのがサザン。