LUCID NOTE LUCID NOTE | what Shibuya living in SHIBUYA have seen and felt

2 Violin & Organ Trio

LUCID NOTE SHIBUYA

今年度は昨年度以上に名古屋にはお世話になりそうな気配。

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わけあって名古屋へ。ちょうど牧山さんも来ているというので、行ってみた。東桜1丁目。

ジャズインラブリーは、見上げるとライトアップされたテレビ塔の見える久屋大通から1ブロック東に入った路地にあり、近くにはNHKの名古屋放送局があり、今日のような雨の日には、傘についた雨のしずくをどうやって濡れずに振り払うかを、入店前に一瞬戸惑ってしまうような、名古屋では珍しくない、軒先のないビルの1階にある。フロアは、極端に短い柄を持つひしゃくのかたちで、ひしゃくの真ん中に1本、天井まで届く柱があり、食卓台がその柱を囲むように設置されていた。食卓台の四辺には椅子が隙間なく置かれ、客席はそのほかに、散漫に置かれたテーブル席と固定のカウンター席があり、ステージを正面でとらえるには、ステージの対角線上にある食卓台の角の席か、その延長線上にあるカウンター席で、もっとも音響の恩恵を正しく受けるには、カウンター席のちょうど真ん中あたりとなる。椅子の向きを変えるか、向きは変えずに首だけひねるかしないと、音を正面から聴くことのできない席がほどんとを占めるこの店は、中にはスピーカーの音が背中から聴こえる席もあり、音を聴く環境としては、最悪の部類に脚をもろにひっかけていた。

名古屋のお客さんは、写真の大好きな方が多いようで、久しぶりにカメラの放列というものを見ることができた。どうやら常連さんたちのようで、もっとも良席のカウンター席の真ん中の席をみんなで陣取っていた。彼らは、演奏中だろうがなんだろうが、かまわず常にカメラやスマホをステージに向け、いちいち俯いて写り具合を光る液晶で確認し、それに満足するとまたカメラをステージに向ける、という行動を繰り返す。中には動画を好む人もいるようで、ぶれないようにかたくなに1曲終わるまで、ずっとカメラを構えている姿は、むしろ滑稽にさえ見えた。彼らのような、ライブをやってるその雰囲気が好きというお客さんは、お店としてはありがたい存在なのだがろうが、音を聴くことを優先したいお客さんにとっては、このうえなく邪魔な存在であり、そんな邪魔なお客さんを甘んじて受け入れているお店にも侮蔑の目を向ける。どちらが正しいライブの楽しみ方なのかは判然としないが、おそらくまた名古屋に来ても、ジャズインラブリーにはもう行かない。

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名古屋のジャズは、東京のようにプレイヤーのひとり一人が洗練された結果としてのジャズではなく、山小屋で集まって合唱するような仲間うちのジャズだった。まさに排他的な街、名古屋の音がそこにあり、他を寄せ付けない壁とパワーがあった。外へ発信する力はないが、内で響かせるにはうってつけのジャズ。牧山さんはそんな中へ東京から入っていって、しれっとそつなく仲間うちの音を出す。このスキル、なんとか盗みたい。