音楽ってすごいよな。ほんの一瞬にせよ、なにごともなかったことにしてくれる。
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ものすごい喪失感のなか、きょうは川江さんの年に一度のバースデイ・ライブへ。セルリアン。
どれだけ音楽に集中できるか不安だったけれど、いつも通りではないオープニングに救われた。未音源、蔵出し、初披露がつづくと、耳は自然とメロディ、歌詞、アレンジに集中することができる。前・後半にわたって初聴曲多めのセットリストのテーマは「卒業」。冬の終わり、甘酸っぱい、思春期、切ない、青春、教室、別れ、不安と期待、桜散る、などといった春のセンチメンタリズムをすべて包括してくれるキーワード。それらを主題にした楽曲がヒットチャートに並ぶのは日本独特の文化なのかも、と思いながら聴く。
前半は、鶴谷さんがちょこちょことジャズマンっぷりをかましてきて、メンバーもこっちも思わずテンションがあがる。三曲目のイントロアレンジは村田さんかな。聴いてきた音楽がきっと同じだ。後半のピアノソロのコーナーでは、ベタな昭和の歌謡曲のなかにオリジナルも絡ませて、同じ時代を生きてきた感覚にふわっと惑わされる。制服だけＢ面、あとはぜんぶＡ面。後半の後半、ここからふたたび鶴谷さんが大活躍。おかげで川江さんのボーカルもヒートアップ。じぶんのなかにあるなにかを思いっきりさらけ出すような、手ごたえある歌ごえが気持ちいい。きょうはまったく違う景色を見ていたはずなのに、じつは同じゴールを目指していたような、そんなライブ。まさにいつも通り。ありがたし。
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出でよ、神龍！