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Salyu 東阪ビルボードライブツアー2019(2nd – Day1・東京公演)

LUCID NOTE SHIBUYA

ステージの上で座って歌うときはいつも下手側に顔を向けるのが彼女の習性。

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サリュさんのBBL東京公演へ。赤坂9丁目。

アルバムをリリースしてライブツアーという活動を定期的に繰り返す、というメジャーなミュージシャンが用いる便利なテンプレートを決して使わない彼女の音楽活動も、今年で十五年だそうだ。毎年これだけは必ずやる、というような軸になる活動も見当たらないし、ライブにしてもいつだって突発的で計画性を見いだせない。したがって次にいつ聴けるのか予想できないから、行けるときに行かないと、という思いに駆られ、ついつい行ってしまう。行くたびにサポートミュージシャンの編成が異なるのも彼女のライブの特徴で、今回は弦カルとギターという初めてのセッティング。ライブのたびに音がちがうから、彼女が音楽でなにを表現したいのか、なにを目指しているのか、おぼろげにさえ想像できなのだが、けっして変わらず普遍的なものがふたつあることに、おくればせながら今日やっと気づいた。

それは彼女のあのうた声と、彼女に寄りそう小林さんの影だ。どれだけゲリラ的なライブであっても、どれだけバンドメンバーが違っていても、どれだけ使用する楽器やアレンジが変わっていても、彼女のボーカルはいつだってあの声であり、たとえ姿が見えなくても小林さんの亡霊がいつも彼女はそばにいるのだ。やっかいなのは、ファンがそれを期待して聴きに来ていることを、彼女がよく知っているということだ。したがって、たとえ初めての弦カルでも、たとえ十五年目のチャレンジでも、彼女が小林さんの影と共にあの声で歌いさえすれば、ライブが失敗することなどありえないないのだ。これこそがサリュさんのライブであり、彼女の音楽性なのだ・・・

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・・・ということを考えながら今日はじっくりと聴く。今回も声の出し惜しみなど一切しない圧巻のうたいっぷり。