LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

esperanza spalding【追加公演】

LUCID NOTE SHIBUYA

静かな熱狂の渦。

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きょうはエスペランサさんの東京公演へ。七年ぶり。赤坂9丁目。

斜めうえからのぞき込むようにして観る。楽譜がないとどこを演奏しているのか途中で迷ってしまいそうな楽曲ばかりなのに、演者のだれも楽譜を見ない。用意さえしていない。聴くものには徹底的に音に没入してもらうおうということなんだろうな。すばらしい。

そこに輪をかけるように不思議と驚きを増幅させたのは、ふたりのダンサーさんのその佇まい。けっして広くはない、楽器だらけのビルボードのステージのその隙間をぬって、しなやかにやわらかく躍りうごきまわる。出番のないときは暗闇の地べたにすわり、じっとリードボーカルの様子をうかがう。出番がくるとふっとスポットライトの下に現れて、その振り付けだと衝突しそうなくらいのギリギリの距離感を保ちながら、ふたりユニゾンで踊る。

ちょっとエスニック、ずいぶんとスピリチュアル、それでもアーバンチックな音と舞踏。電子音を使わないハンドメイドなステージは、風変わりなミュージカルのようでもあり、ちゃんとした音楽ライブでもある。いろいろな側面を垣間見せながらも、すうっとまっすぐに進んでいく。このバランス感。すごい。すんごいライブ。さいごのシンガロング、気持ちいいくらいにむつかしすぎた。

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しかし七年は待たせすぎ。つぎは来年あたりにぜひまた。