役者としてのすでに確立されたパーソナリティをぜんめんに何度も繰り出してくる江口さん、松尾さん、千葉さんの三人は、かれらじゃなければこの舞台は成立しないと思わせる強いなにかを持っていて、そんななかで奮闘する松岡さんは苦労が絶えないだろうなあと思いながら観る。
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きょうはパルコ劇場へ。江口さん主演の舞台の初日。宇田川町。
最近のパルコ劇場はふところに余裕のあるひとしか相手にしなくなっちゃったけれど、これはいい舞台。無理して観に行っても余裕でおつりがくるオモシロさ。
空想と現実を交錯させる後半のシークエンスは、役者さんの掛け合いだけでなく、舞台装置、照明、音響、ステージスタッフぜんいんの一体感を感じ取ることができる最大の見どころ。同じリズムとテンポ感で、観るものをトリッキーな空間へと引きずりこみ、かと思えばスっとリリースされる。舞台上でつくられる緊張と脱力のこの繰り返しが、観るものの心情と同期する気持ちのいいシーン。こういう演出って映像作品で観ると安っぽく感じることが多いけれど、舞台で観ると俄ぜん小気味よく楽しめるのはなぜなんだろう。作り手のこだわりとか思いや意図が直に伝わってくるときの感触というか、圧倒的な力で圧されたときの逃げ場のない臨場感というか、いっさいの予断を許さない生の瞬発力というか。いい芝居のいいシーン。
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関西弁を関東で使うときは、脅しのためじゃなく、笑いのために使うのが正しい使いかた。