引き続き。
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きょうも村治佳織さんの周年企画ライブへ。二日目。紀尾井町。
達郎さんのクリスマス・イブとかサザンのマンピーとか、たとえマンネリと言われてもライブでは必ずどこかのタイミングで演奏してくれる楽曲というものが、村治さんのライブにもあっていいんじゃないかな、と思いながら、前半の佳境の二曲を聴く。ファン選抜の人気楽曲で構成された三十周年記念ベスト・アルバムのツー・トップ。一位のカヴァティーナはほかのだれかのライブで聴けるから、やっぱり二位のサンバーストが妥当じゃないかな。村治さんのライブに行けば、かならずサンバーストが聴けるってどうよ。
後半は、香津美さんと谷川さんが加わってスリー・ピース・セッション。香津美さんのそばに卓が用意されているのを見たときに脳裏をよぎった悪い予感が、みごとに的中してしまった。音のバランスがすこぶる良くない。村治さんはナイロンを指で、香津美さんはスチールをピックで、谷川さんのグランドのリバーブはノン・ピーエー。それをステージにいる演者みずからが調整するという困難な試み。ということは、もしも演者がどれだけがんばっても聴こえない音があれば、リスナーはそれを脳内で補完しながら聴くことになる。なるほど、そうやってステージと客席との一体感を醸成したかったのかと前向きに思うことする。結果的にそうなっちゃったし。
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二日間、異なるプログラムで挑んだ周年ライブ。初日はクラシカルに、二日目はカジュアルに。どちらも村治さんのいま現在の所在地。周年企画はまだまだつづく。ゴールラインは来年三月。