LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

Kaco Continue STUDIO 「ヨリミチワードローブ」

LUCID NOTE SHIBUYA

三回目のワードローブ。

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Kacoさんの自主企画ワンマンへ。道玄坂2丁目。

店名のB.Y.Gは、ビューティフル・ヤング・ジェネレーションのイニシャリズムだそうだ。開店は1969年。ヴェトナム戦争、中ソ対立、デタント、ウッドストックの時代。人類は同じ過ちを何度も繰り返すいきものらしく、ことしはまさにその負の歴史をそのまま受け継いだような邪悪な年。そんないまの世情が選ばせたのか、あるいはBYGだから選んだのか、アンコールでKacoさんが選んだ一曲は彼女なりの強い反戦歌。うすうす気付いてはいたけれど、BYGは元来それが似合う店。

などと冒頭から書いてしまうと、ライブぜんたいもまるでそういう雰囲気だったかのような印象だけれど、そんなことなどまったく感じさせない、限りなくピースフルでオーガニックで、むしろBYGには似つかわしくないジャンルの、生来のKacoライブ。人の持つ複雑性とか、傍若無人なわだかまりとか、こびりついた脂肪とかを、サラっとやさしく、それでも根こそぎに、きれいに洗い流して、やがては薄い柔らかい真水につつまれるような魔法のライブ。音楽って実は彼女のためにあるんじゃないかと思わせる瞬間がいくつもあって。いいライブ。

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そして桑田の新曲は今回も元気だ。