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広島ジャンゴ2022 – 初日

LUCID NOTE SHIBUYA

ジャンゴに共感できるひとっているのかな。

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一昨昨日、昨日につづいて今夜はシアターコクーン。三作品目の今日はすんごいメンツの大集合。道玄坂二丁目。

単純明快なドタバタ劇。なぜ広島だったのか、ジャンゴにはどんな意味があったのか、そのネーミングとテーマのあいだにどんな関係があったのか。ひとつひとつを丁寧に深堀りしながら楽しみたいひとには不向きな舞台。裏切りやどんでん返し、想像を越える仕掛けや展開、深層心理に訴えるセリフや装飾などにはまったく無縁な仕上がり。アクション、ストーリー、ナゾ解きの回答、すべての要素において伏線を用意せず、上っ面だけで押しまくる。いいひとは最後までいいひとで、悪役は最後まで悪役で、どうでもいいひとは最後までどうでもいいひとだ。なにも考えず、悩まず、目の前のありのままを観て楽しむ。夏休みの子ども劇場。演技の上手いひとたちばかりなんだろうけれど、それだけにもったいない。これだけメジャーなメンバーを集めておいて、しかもミュージシャンに生演奏までさせておいて、これ?、だけ?

そうなると、おのずと役者さんの演技と佇まいだけに目がいってしまうことに。天海さんはなんでそんなに下手に踊るのかとか、セリフのないときまでなんでそんなに鈴木さんは目立ってしまうのかとか、仲村さんの声はなんでそんなに奥までトオルのかとか、北さんのそのしなやかで強い足腰はどこでキタえたのかとか、なぜ藤井さんは広島弁の途中でなんども関西訛りを混ぜたのかとか、どんなシーンでもなんでそんなに中村さんは魅力的なのかとか。そうか、それがねらいだったのか。

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鈴木さんと土居さんの芝居はまた観たくなる芝居。