ちょうど二時間。見ごたえ充分。
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春の土曜、ランチタイムの観劇。太子堂4丁目。
けっしてリアリティを追求したかったわけじゃないのだろうけれど、いまの日本社会で起きている現在進行形の事象や課題を背景にしていたし、舞台が進むにつれて次第にその会話に口をはさみたくなるくらいに役者さんの口調やセリフまわしが自然だったし、いっそこのままその一流でリアルな演技を観つづけていけば、最後はいい感じで劇場をあとにできそうなリアリティ満載の現代劇。最後の最後のシークエンスで、実はぜんぶファンタジーだったことをリアルに実感させられたのだが、この結末と落とし前をどう描けばよいのか悩んで迷って頭をかかえている加藤さんの姿がふっと浮かんでくるような終わりかた。若いってすばらしい。
登場人物の描きかたは、主役の若年世代は丁寧にリアル。脇役の中年世代はドラマの世界だけで見られるような、とってつけたような雑さがあって。結果、若年世代のリアリティがより増して見えてきて。主役と脇役を逆さまにしたパラレルなストーリーを想像させるようなおもしろさもありつつ、同情はできても共感はできない役柄ばかりだったのもそのおもしろさに拍車を。そして黒木さんは今日も裏切らない。満点。
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今年の四月は芝居月。