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小泉今日子 TOUR 2022 KKPP (Kyoko Koizumi Pop Party) / Day 11 – 東京公演

LUCID NOTE SHIBUYA

秩父宮でサンゴリアスの猛攻に心折れたあと、ふだんは選ばないライブ会場へ中央総武線でトライ。

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♪なんてったって最強なのはアイドル、アイドル。君にメロメロ。夢ありがとう。中野4丁目。

芝居小屋の小泉さんは何度か観てきたけれど、歌う姿は初めて。どんな音楽を聴かせてくれるのか楽しみにしていたのだが、開けてビックリ、アイドルなライブ。目の前でペンライト(小泉さん曰く「光る棒」)を振りまわされるとは。見わたすと、ライブや音楽を楽しむというよりも、小泉さんといっしょに騒ぎたいひとたちの集まりといった雰囲気。彼らにとっては、音楽もペンライトも、そのためのツールのひとつでしかない。

小泉さんの楽曲は、サビはなんとなく聴いたことあるけれど、イントロでタイトルがわかるほどの知識はまったくないことに途中で気づく。実はこれまでちゃんと聴いてこなかったらしい。楽しめる自信は存分にあったのだが、今日のセットも九割はほぼ馴染みがなく、懐メロのはずなのにぜんぶが新曲。くやしい。そんななかでも、大滝さんと小林さんの楽曲はなぜかメロディまでは思い出せた。こういうのがいい楽曲っていうんだろうな。ほかは曲中で飽きてしまい、自然と聴くのをやめていた。せっかく聴きに来たのに、なんだかもったいない気もするけれど、それが昭和の流行歌、ひとときの夢。

アイドルなライブはアンコールまで続き、なんと最後の最後の楽曲では撮影許可まで。どうやら恒例らしい。両手でスマホをステージにかざして、楽曲そっちのけで撮影に没頭するファンの多さよ。この曲、初めて聴いたけれど、歌詞を聴けば聴くほど、小泉さんが今日、いま、もっとも世に問いかけたい楽曲じゃないかと。録った動画は必ず音声付きでネットにアップして、小泉さん流のプロパガンダに大いに使われてしまいなさい。

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シュローダーの渡辺さんといづみさんの姿を観ながら、すこしだけ音楽に浸れた気分になる。次はちゃんと音楽が聴けるライブに行こう。