いよいよ。
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桑田さんのライブ・ツアーが始まった。今日は二日目。利府町菅谷館。
ツアー開催の発表から今日まであっという間だった。各方面からの拒否反応が現出しないように、これまでにないスピード感とこれ以上ないほどの忍耐で迅速かつ丹念に準備を進め、業界のトップ・ランナーとしてだれからも文句を言わせない完璧な感染対策を講じながら無事にスタートを切ってくれたことに、現場に立ってみて改めて感動した。桑田さんのライブで歓声がまったく聴こえてこないことには最後まで慣れなかったけれど、それもこれもすべて協力と信頼と感謝の表れなのだ。
桑田さんは、ライブでは愚痴や文句をまったく言わない。最近のミュージシャン、とりわけ若手のミュージシャンのライブでは、たいてい愚痴をぐちぐちと聞かされる。この一年半こうだったとかああだったとか、これからどうなるのだろうかとか、スタッフも仕事が無くなってとか、自分にとって音楽とはなにかを考えたとか、終いには人生観まで語り出したりする。まあ確かにそうなんだろうし、気持ちもわからないでもないのだが、音楽を楽しむために、あるいは辛い日常を一瞬でも忘れようとしてライブに来ている身としては、そんな話題はまったく不要だし、むしろ聞きたくないのだ。桑田さんのすごいところは、そういうわがままなリスナーの気持ちや都合の一切合切をぜんぶ引き受けて、愚痴や文句や不都合な事情をすべてを丸め込んで、それを歌にして聴かせてくれるところだ。この一年半のストレスを一気に吹き飛ばし、爽快にぶっとばす。こんなの生で聴かされたらストレスも悪くないと錯覚さえもする。これぞ桑田さんのライブ。いいツアーが始まった。
しかしチケット取れないなあ。今日も三つに一つが空席だったから、他の公演に行ける確率は想像以上に低くそうだ。あと何公演行けるかな。宮城に来れただけでも幸運なのだが、この欲だけは無限大。