鈴木杏さんと趣里さんのコンビネーションは役者十人ぶん。
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先月に続いて井上ひさしさんの作品へ。本町1丁目。
人情とか人間味とかに溢れた世界に深入りするとろくなことがないことを知る現代人にとっては、この戯曲はホラーだ。登場人物のひととなりやその背景を観るものに知らしめるために用意されたセリフがやたらとクドい。ナゾ解きさえも観るものの想像や推理に委ねることはせず、最初から最後まで、すべてをわかりやすい丁寧なセリフで説明してくれる。おせっかいにもほどがある。あークドい。観終わったときにはすべてが解決するからモヤモヤすることないし後腐れもないし、きれいさっぱり。後味さえもない。よほど観るものを信用できないんだろうな、と思いながら観るとこの芝居、めちゃくちゃオモシロイ。
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高橋惠子さんと那須佐代子さんのコンビネーションは役者百人ぶん。