対バンではなくセッション。
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440がサリュさんをブッキング。すばらしい。代沢5丁目。
音楽活動の軸足が行方不明になって久しいサリュさんも、この春からなんとなく、以前よりも市井のリスナーにより近い場所に足場を求めているような、そうでもないような。大きなステージで歌うサリュさんも魅力的だけれど、小さく近い平場で聴くサリュさんのうたごえもまた格別。地上に降りてきた天使。というアウェイな空気感が漂いつつも、サリュさんもそのファンもそのいっさいを含めて楽しんでいるようで会場はとてもいいムード。
サリュさんがアウェイなら、一方のおおはたさんにとってはシモキタ界隈はいわばホーム。ソロのステージではフリースタイルが得意技。その場で変更したり更新したり、走ったり歩いたり。たとえサリュさんがしっかりと作り込んだものをそのまま披露することに努めようとしても、おおはたさんはそれをふんわりと変えていく技を持つ。招かれた天使と招き入れた旅人。相反するふたりの初共演。
そんな初顔合わせのふたりのライブは、ぎこちなく、距離もつかめず、音もなかなか固まらない。したがって新しくなにかを見出したり作り上げるようなセッションではなく、それぞれのいまの持ち味を活かせるアンサンブルを軸にしたセット。カバー曲でアレコレやろうとしたけれど、やっていくうちに自ずとオリジナルに行きついたというおふたり。そこにいくつかのリーディングを挟み込んでコンセプチュアルに。いい仕事するなあ。
サリュさんは九月にビルボード。おおはたさんは今月もう一度440にて。どちらも行きたい!