三十路オンナの疲れた下着姿をまぢかでまじまじと拝みたいならぜひコクーンへ。チケットまだ余裕。
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元気印の芝居をさせるなら長澤さんは無敵だ。道玄坂2丁目。
ライブ音楽に飢えているせいか、音と声に敏感に反応してしまった。素人だけのカラオケパーティの会場に正体を隠してこっそりと忍び込んでいたプロの歌手が、歌う順番が来て不意にマイクを回されて歌い始めてみたら、一瞬のうちに場が凍り、次第にざわめきだし、いつの間にか聴き惚れて、歌い終わった後はぜんいんの暖かい拍手でパーティ会場が感動の渦、というような笠松はるさんの歌唱がすごかった。今日の客席の拍手の半分は、彼女のうた声に向けられたものだ。もしも演者ぜんいんがあのスキルを持っていたらあそこまで目立たなかったとは思うけれど。劇伴はステージバックをピットにしてバンドによる生演奏。一幕目はバンドの音と演者の声とのバランスが不安定でセリフの聴きづらいシーンが頻発したが、二幕目はしっかりと修正されていた。
しかし休憩時間を含めて全尺三時間半はどうやら長すぎたようだ。ふたつの時間軸を交互に展開するストーリーのせいで、個々の登場人物のエピソードや関係性をわかりやすく整理するための説明セリフが何度か繰り返されたり、舞台転換の時間を稼ぐための意味のない歌詞の楽曲に耳を無駄に持っていかれたりしたせいか、途中で何度か退屈に襲われてしまった。一幕目の最後のシークエンス(秀逸!)で集中力を使い果たしてしまい、二幕目は惰性だけで過ごしてしまったのか大団円ではぐったりと疲れ切ってしまった。この長さは音楽ライブと同様、楽しむときは気持ちの時間配分が大切、だったらしい。もう一度観られるならそのときは上手く楽しめるはず。
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いちおうミュージカル喜劇なのだが、台本の科白だけで笑わせようとしても、このご時世で観劇に来る客なんてつわものぞろい。されどまだ初日。阿部サダヲさんのノドが心配。