LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

翻訳家・柴田元幸の朗読フェス at VACANT

LUCID NOTE SHIBUYA

永井さんが場所を提供し、熊谷さんがその場所で企画を主催し、柴田さんがその企画で主役を演じ、坂本さんがその主役を支える歌をうたい、平井さんがその歌をサポートする、というつながり。

//

今月で店じまいのVACANTへ。神宮前3丁目。

どこでどうつながっていたのかは知る由もないのだが、別々に聴いてきたミュージシャンたちがナゾに共演している姿を観ると、なんだかくすぐったくて不思議な気分で過ごすことになる。こういうとき、おふたりのどちらに目をやればよいのか困ってしまうものなのだが、今日は迷わず平井さんだ。グランドのないヴェイカントで平井さんがなにを使って音を出すのか、それを知ることから今日の楽しみは始まった。入場してすぐに目に入ったのはエレピ。これを弾く平井さんを観られるなんて。しかも横からではなく正面から。ありがたい。

LUCID NOTE SHIBUYA

坂本さんが坂本さんのステージを坂本さんだけのステージにしなかったのもありがたかった。まさか平井さんのオリジナルをセットしてくれるとは。そこにインプロでスキャットをのせて平井さんのエレピとハモる坂本さんはさすがにボーカリスト。おかげでシャイニングガールにはたくさんのキメが隠されていることを改めて知る。平井さんはいつもとは違うキーの感触を楽しみながらエレピで自分の音を次々と表現していく。今日の彼女はなにもかもがレアだ。まばたきするのももったいない。来年はこういう機会がもっと増えるといいな。

しかし十二月の平日午後のこんなあいまいな時間にこれだけのお客さんを集めるとは、柴田さんっていったいどんな人なんだ?

//

空き地がホントの空き地になる日まであと十日。