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TOKI ASAKO LIVE 2018 “SAFARI TOUR”(3日目・北海道公演)

LUCID NOTE SHIBUYA

土岐麻子、脱ぐ!

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こんな日があるからこそ、追っかけなんてやめられない。北2条東3丁目。

脱いだといってもパンプスなのだが、あの沈着冷静な土岐さんが素足になって歌う姿はレアで新鮮だった。脱いだ理由は定かではないが、ライブも佳境に向かう一歩手前、8センチクラスの黒のヒールを、なるべく客席から気付かれないように、立ったまま踵でパンプスのへりをフックさせ、片方ずつこっそりとすばやく脱いだ。そもそも今回のツアーの土岐さんはいままでになくアクティブだ。スタンドマイクで歌うイメージが強い彼女だが、今回のツアーはハンドマイクで歌う姿をたびたび見ることができる。そのぶん動きも自由で、ステージの前後左右をまんべんなく使い、客席の近くまで寄ってくることが幾度もある。

ここまで土岐さんが動き回る理由は簡単だ。キーボードとギターを担当するトオミさんはマニュピも操作するので動けない。鈴木さんはドラムスなので動けない。玉木さんはベースとコーラスだがシンセも担当しているので動けない。どのメンバーも楽器が固定されているから動けないのだ。ギターソロで前に出てきてギィーンと客を煽る、ということができるメンバーがひとりもいないから、結果としてヴォーカルの土岐さんが動き回らなければ、ステージに動きがなくなるし、客も煽れない。シャイなのか、そんな柄じゃないと思っているのか、煽りそのものが控えめ過ぎて、結果的に煽りにならないが玉に瑕なのだが。それでも、いつも以上に動きまり、いつも以上に汗だくになる土岐さんを見ていると、素足になってステージのひんやりとした床面を感じたくなるのもわかる気がした。

その甲斐あってか、ツアー3日目にしてオールスタンディングに成功。北海道は熱っつ移動。

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ハンドマイクで歌うときは、マイクをスタンドから外し、スタンドの高さを低くしたあと、邪魔にならないように横に移動させる。再びスタンドを使うときは、横に置いたスタンドを身体の中央に戻し、マイクをスタンドに取り付け、マイク部分を口元に近づけるために高さを調整する。この調整作業をライブの流れを止めないようにタイミングよく素早く行わなければならず、今日はその高さの調整をパンプスを脱ぐことで解決した、というのが真相(おそらく)。ちなみに、ハンドマイクになって動くとき、必ず最初は右に動くのが彼女の習慣。