おもてなしの極み。
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11月最後日。公園通りへ。
千宝美さんは、はっきりと丁寧に歌詞を聴かせる。噂で聞いてた熱唱系でも、大げさな情熱系でもない、聴きやすい歌声。見た目は華奢だけれど、幅広で丸みのある発声に、少し尖ったタッチのピアノの音が、絶妙にマッチしてた。
初披露のギターの弾き語りはご愛嬌だったけれど、その後の津久井克行さんとのセッションでの”You’ve Got a riend”はスタンダードながら歌唱の良さを思い知る。
ライヴは、ひとつずつ丁寧に細部にまでこだわって作りあげられてた。こういうライヴをやってみたい、の「こういう」の部分が手に取るようだった。6回目ともなると、客席側も心得てる方も多く、練り上げられたそのこだわりに、的確に反応してた。初めて来店された方々にもやさしい対応で、こういう店ならもう一度来てもいいなと思わせる上質なライヴ。
デザート前は、一生懸命作り上げてきた達成感なのか、涙目のぎりぎり一歩手前。こういうライヴだったら、たとえ自己満足だったとしても、誰だって許せるよ。泣いちゃえよ、そうゆうときは泣けばいいんだよって、みんな思ってたんじゃないかな。