LUCID NOTE LUCID NOTE | what Shibuya living in SHIBUYA have seen and felt

TK from 凛として時雨 Acoustique Electrick Session (1st)

LUCID NOTE SHIBUYA

別に、TKさんを聴きたかったわけじゃないし、沖さんに会いたかったわけでもない。

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とは言え、間違った選択だった、というわけでもない。赤坂9丁目。

沖ちづるさんとは入場時のエントランスでバッタリ。こういうときの「お久しぶりです」は、たとえ相手を覚えていなくても、角を立たないために使われる、便利で適切な言葉だ。沖さんがTKさんのライブに・・・う~ん、わかる、とっても(笑)。おふたかたとも、照明と演出にこだわったダーキッシュなライヴを得意とし、リスナーとのコミュニケーションはほぼ皆無。聴かせるだけ聴かせて、こちらの感情の発散を許さない。ゆえに、リスナーはずっとストレスをためることになる。たまったストレスは自宅に持ち帰ってくれ、と言わんばかりの、ステージからフロアまでのワンウェイ・ライヴ。言葉少ないMCにもかかわらず、上階のお客さんを「生首」と呼ぶ彼には、客は動かない絵でしかない。

ステージに至っても、終始うす暗い省エネ運転。演奏メンバーには一度たりともスポットを当てず、まるで亡霊のよう。そんなお化け屋敷の中で、大人が幼児に話し掛けるときの発音で、スクリームとウィスパーヴォイスをループするTKさん。気色の悪さの押し付けで蓄積されたストレスを、うまく逃がす場所と方法を模索しながら過ごす90分間。こんな救われないライブは、それこそ久しぶりだ。自分自身の有望性を信念のようにかかえ、なおかつそこに表現者としての深い才覚が備わっていないと、こんなライヴは出来っこない。日常生活にはまったくリンクしない音楽だからこそ成立するライヴ。すごい。圧巻。

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メンバー紹介の雑さにはがっかりしたけれど、大好きなミュージシャンが奏でる音から始まる曲は、本編4曲、アンコールで1曲の、全5曲。ありがたい。ステージの上で、最も凛としていたのは彼女と、その演奏だった。あ、TOKIEさんではないです(笑)