LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

ラ・フォル・ジュルネ 2010 No.134

LUCID NOTE SHIBUYA

企画そのものには、全く魅力を感じないのだが。

GWに久々の有楽町へ。クラシカルな祭典。

相変わらず終始ムツカシイ表情で演奏される。上手くいこうが間違えようが、口角は常に下がりっ放しだ。自分が出す音に集中されてるのだろうけれど、そんな様子を客席から観ていると、自然とネガティブ・チェックばかりで聴いてしまう。間違い探しほどツマラナイものはないし、ぜんぜん楽しくない。天気も良いのになぜこんなところで人の間違いを期待してんだろう、なんて思ったり・・・

ところが後半、バヨリンが加わってデュオが始まった瞬間に会場の雰囲気が一変した。あの柔和で楽観なバヨリニストの演奏スタイルは、お隣で音を出してるギタリストにはない音の楽しさがあった。上手くいけばニコっと笑い、躓いたらオドケテみる。聴かせどころは緊張し、エンディングにはとびきりの笑顔。ノン・ピーエーで聴かせる微妙なフレーズは、こんなクラシック素人のやっつけリスナーでも、音の凄味が伝わってきた。

そんな相方の演奏につられたのか、無味なギタリストの音も次第に味が染み出してきて、ソロでは見られなかった笑顔もところどころで表れて、前半とはまるで別人のように楽しそうだった。こっちも最後はなんだか救われた気持ちになって、今日の空のように不思議なピースフル感。もしかしてあのバヨリニスト、ライヴの天才?

クラシック音楽の楽しみ方って、実は他のジャンルのライヴと全く同じで、今日のようなライヴなんじゃないかな。だとすると、行く回数がもっと増えるかも(笑)