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TOKYO FM 開局55周年×「桑田佳祐のやさしい夜遊び」放送30周年 九段下フォーク・フェスティバル’25

LUCID NOTE SHIBUYA

桑田さんのライブの後はいつも感情がとっちらかって収拾がつかないだが、ここまで情報量が多いとどう整理すればよいのか。とりあえず順を追って。思い出せるものを。忘れないように。

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きょうは日本武道館へ。TFM主催、桑田佳祐主演。北の丸公園。

前ナレで登場された住吉さん。誤読を避けるナレーションにちょっぴり緊張感。おかげでこっちもドキドキ。

OAの田内さん。一聴すれば言われなくてもわかってしまう桑田濃度たっぷりの新曲「深川のアッコちゃん」を、はじめての武道館で堂々と弾き語り。これは売れる。売れてほしい。

「きょうはフォーク・フェスだからフォークしかやりません。だからみなさんはロックは聴かない」の桑田さんの前フリで登場した最初のゲストはあいみょんさん。デビュー前だったかその後だったか、渋谷の街中をさまよいながらユーストの生配信をする、という企画を毎週のようにやってたなあ。近所のライブハウスでもよく見かけてたし、デビューが決まったときのコンベンションライブも渋谷だった。気づけばいつのまにか一般ではチケットが取りづらくなって、いまや桑田さんと肩を並べてうたってる。よかったなあ、すげえなあ、と感慨にふけりながら聴く「君はロックは聴かない」にちょぴり涙。

初っ端からあいみょんって、このあとだれが出てくるんだろうと期待を倍増させてからの桜井さんの登場にざわめく会場。06年の夢人島フェスで聴いて以来の桜井さんの生声は桑田さんもうらやむ高音質。変わってないなあ、すげえなあ。サザンファンの心理を絶妙に突いてくるMCも桜井さんの良さ。HANABI、慕情の二連発でなんだかライブも佳境に突入したような錯覚に陥る。奇跡の地球を終えて桜井さんがステージを去ったあとの、あの会場ぜんたいのざわめき、興奮のあとの震えがとまらないあのかんじ。たまらんな。こりゃ次のゲストさんは出にくいだろうなあ。

一種の箸休め的な原さんの登場はなごみの時間。このコーナーがじつはあとの布石だったとはこのときは思いもしなかったけれど。ダブルユニゾンで聴く花咲く旅路はまったく色褪せない名曲中の名曲。原さんもまた近いうちにソロライブやってくれないかな。

吉井さんとの思い出はライブではなく、いつだったかずっとむかし、ガソスタでバイトしてたとき。イエモンの四人が楽器とともに一台にぎゅっと乗り合わせていた車に給油したというエピソード。なつかしいな。吉井さんがチョイスした「東京」は、桑田さん以外にこれを歌いこなせるボーカリストは吉井さんしかいないってくらいのうたいっぷり。聴き惚れてしまった。これはもう一度聴きたい、生で。

で、ここまでがどうやら第一部。

第二部はふたたび桜井さん、吉井さん、あいみょんさんがそれぞれ桑田さんとデュエットするコーナーで始まって、なんとなく間延びしたかんじにさせる展開に。これでどうやってエンディングまで持ち込むんだろう?と不思議がる客席を唐突な一声で覚醒させる桑田さん。そうか、桜井さんたちは前座だったのか。

竹内まりやさんのライブのチケットはサザンよりも取りづらいと言われるプラチナ・チケット。だれもが知っているあのイントロを誠さんが弾き始めたときの会場のどよめき、その後の竹内さんの第一声にさらに追い打ちのどよめき。まさか竹内さんの生声を聴けるとは。桑田さんと竹内さんがふたり並んで歌う光景は、つまりここに原さんがいないと収まりがつかないわけで。静かな伝説はファンへのきょう最大のご褒美。

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祭りのあとをスリージャンプで締めたきょうの企画ライブ。映像よりも音源でじっくりともう一度聴きたいとぼんやり考えていたら、後ナレで住吉さんからうれしいお知らせが。そういえばこのライブ、TFMの主催だった。十一月三日は必聴&エアチェック。