LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

Y.O.I. vol.2

LUCID NOTE SHIBUYA

初モノ尽くし。

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きょうはジージのPA担当、五十嵐さんのブッキングライブへ。三組の対バン。宇田川町。

ひと組めは倉沢よしえさん。初聴。ギターと鍵盤の二刀流。ちっちゃいカラダから放たれる伸びのあるうたごえの相性はギターよりもピアノ。本人は余興のつもりだったのかもしれないけれど、ミラーボールのブルースは鉄平さんのイベントでは聴けないオトナな楽曲。でもね、ひかりが当たればミラーボールは回るんだよ。

ふた組めは松田栄作さん。初聴。ギターの弾き語り。ぜんたいの流れには逆らわず、その場の空気を読み取りつつも、あわよくばじぶんのペースへ引きずり込む技を持つ。しかも平身低頭、毒のない好青年。非の打ち所のないお調子モノが、ギターの一弦を情緒的に使いこなし、育ちの良さを歌詞に乗せ、ハリとツヤをたっぷり含んだうた声でうたう。こういうミュージシャンが売れてくれれば、世界もいい方向へ進むかも。

さん組めは玖咲舞さん。初聴。鍵盤の弾き語り。前のふた組とは真逆の、難攻不落のとっつきにくさ。やさしさもかなしさもぜんぶ毒に変える危険な音楽。安易には近寄れない地雷原。慎重に慎重を重ねても、どれだけ前に進んでも、不安は解消しないし、ゴールも見えない。臆病者に臆病であることを自覚させるステージ。演者の音楽性と聴き手の感受性がぶつかり合うナイスなライブ。彼女にはジージのピアノは小さすぎたかな。

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玖咲さんが五十嵐さんのPAは歌いやすいっておっしゃってたけれど、それだけじゃない。じつはとても聴きやすい。聴きたい音をちゃんと聴かせてくれる。これだいじ。